テーマ:食養論・陰陽の食品について
●食品の分類
これから食品を分類してきますが、この分類方法は、陰陽論をもとに考えられております。よって尺度が違えば当然見方も変わってきます。
しかしこの考え方は、陰陽と病気の関係を考えるとき、非常に参考になる考え方です。
つまり、どのようなものを食べたら、どんな病気になるのか。また食生活を変えることによって、どんな病気が改善されていくのかを、非常にわかりやすく理解することが出来ます。
食品は、陰の気を受けると陰性に、陽の気を受けると陽性に分かれます。また、厳密に言えば、それぞれは、さらに酸性とアルカリ性に分類できます。
つまり陰性の酸性食品、陰性のアルカリ性食品、陽性の酸性食品、陽性のアルカリ性食品の4つに分類されることになります。
実際の食養生では陰と陽の分類だけで充分ですが、知識として4つの性質を覚えておいておくと良いと思います。
とくに血液の状態と健康が密接につながっていますので、血液がどう変化するかに重点を置いて話を進めていきます。
- 陰性の酸性食品
- 陰性のアルカリ性食品
- 陽性の酸性食品
- 陽性のアルカリ性食品
●陰性食品
陰性の特性は、中心から外に逃げるというエネルギーです。現象的に見ると密度を薄くする、伸びる、緩むなどの拡散性のエネルギーであり、また冷たくなるといった性質を持っています。
1.陰性の酸性食品
酸性の食品は血液を汚し、体の機能を低下させます。ですから、陰性の酸性食品を好む人の血液は、俗に血の薄い状態になり、同時に汚れてきます。状態が悪くなると血液がネバつく感じになってきます。
この食品の横綱は砂糖で、この砂糖は食品のなかでも最もマイナスなものだと考えています。他に、普段の食生活で心配しているのが食品添加物です。なぜかと言えば、砂糖は、その害を知って注意することもできますが、食品添加物は防ぎようがないからです。現在、加工食品のほとんどに添加物が入っています。普通の生活をしていれば必ず身体内に取り組むことになります。
陰性で酸性のものとしては、この他にタバコやアルコール類があります。また、植物油のなかのサラダオイルも同じ性質を持っています。これらほど程度は強くありませんが、乳製品も陰性の酸性食品に分類されます。
さらに白米の害が叫ばれていますが、白米、白ウドン、白パンなどもこの仲間に入ります。ただし食べすぎると血液が汚れる程度ですから、健康な人なら量を考えれば問題はありません。
2.陰性のアルカリ性食品
陰性の作用は前項と同じですが、酸ではなくアルカリですから、血液をきれいにするうれしい効果があります。この仲間の筆頭に挙げられるのは海草、旬の葉物野菜、野草などで、大変に強い浄血作用を持っています。また、造血を助ける作用もあります。もちろん、いくら良くても食べすぎには注意しなければいけませんが、それでも安心して食べていい食品です。
しかし、陰性アルカリのものでも、香辛料は好ましくありません。なかでも酢(とくに合成酢)は、とり過ぎると危険なことさえあります。酢が健康にいいと聞いてどんどんとり、結局は身体をこわした人がいます。なぜかといえば、酢は血液を浄化するのを通り越し、血液の濃度を過剰に薄くしてしまうからです。
野菜のなかでも、ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなど、ナス科のものは酢と同じ作用がありますから注意が必要です。若い女性たちの間では、ダイエットと美容を目的に、これら野菜のサラダを主食代わりに食べる人がいます。しかもドレッシングには酢が使われています。その害がどれほど大きいかわかるでしょう。貧血や冷え性で悩む女性が多いのも、偏った食生活にあるのです。
●陽性食品
まず陽性の特徴ですが、これは、外から中心に向かうエネルギーで、血液は密になり濃度が高くなります。
1.陽性の酸性食品
陽性でかつ酸性ですから、血液が汚れてきます。陽性で酸性の食べ物と言えば肉類を真先に挙げることができます。ですから、肉好きの人の血液は汚れてネバついています。肉の他に、脂肪分の多い魚、卵などが要注意食品です。
陽性酸性食品が多いと、最悪の血液を持つことになります。そこで出てくるのは、成人病、慢性病、婦人病、難病といったものです。どれも大変に治しにくいものばかりです。なかでも、心臓、肝臓、腎臓、膵臓のように、エネルギーが内側へ向かっていった臓器に症状が現われがちです。
2.陽性のアルカリ性食品
この食品の代表は根菜類と自然塩で、陽性とアルカリの両方の性質を強く持っています。まず根菜類ですが、血液をきれいにする力が強力で、スタミナをつけるのにも最高の食品です。 対して塩には血液浄化作用と造血作用があります。塩と聞くと連鎖反応的に血圧に悪いなどとマイナス面を連想しがちです。でも、塩をとらなければ血液が薄くなってしまいます。要はバランスを考えて塩をとることです。
他に、味噌、醤油、梅干し、タクアンなど、伝統的な和食の顔にも陽性でアルカリ性の食品が目立ちます。日本人の食生活が洋食に傾き、消費量が少なくなっていますが、ぜひ見直していただきたい食品です。
●食品の分類(まとめ)
ここまで陰陽をもとにした、食品についての分類をしてきましたがそのまとめをしたいと思います。
食事を分類して、自分が普段食べている食生活を省みることは非常に大切です。なぜならば、かかる病気と食生活は密接な関係があり、食事を正すことによって症状が良くなり、ついには完治することも少なくないからです。
陰性
1.極 陰(溶血・溶細胞)
放射能、化学薬品、食品添加物、農薬
2.注 意(酸性−汚血)
白米、砂糖、スナック菓子、チョコレート、アイスクリーム、インスタントコーヒー、アルコール、ジュース
3.少量原則(浄血-とりすぎると溶血)
果物、お酢(とくに化学酢・短期醸造も含む)、青汁、なす科(なす・トマト・ピーマン・じゃがいも)、
大豆、豆腐、豆乳、お茶、コヒー
4.安心アルカリ(浄血)
緑黄色野菜(漢字の野菜、旬の野菜)、野草、海草
中庸
5.主食−玄米、むぎ、きび、ひえ、あわ
陽性
6.安心アルカリ(造血)
みそ、しょうゆ、大根、ごぼう、人参、山芋、蓮根、梅干し、にがりを無毒化した自然塩
7.少量原則
しじみ、イカ、タコ、ナマコ、カキ、小魚、川魚
8.注 意(酸性−汚血・血をどす黒くする)
肉、ハム、卵、ソーセージ、チーズ、貝類、赤身の魚、
9.極 陽(極陰の人に)
黒焼き(玄米、梅干し、昆布、熊笹)
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